工法・規格

工法・規格construction method & standard

ニート工法

1樹脂系すべり止め舗装

樹脂系すべり止め舗装とは新設又は既設のアスファルト及びコンクリート舗装面上に可撓性エポキシ樹脂またはMMA系樹脂を薄く均一に塗布しその上に耐摩耗性に優れた硬質骨材を散布して路面に固着し、特に湿潤時のすべり摩擦抵抗性を高める事を目的とした表面処理工法で、ニート工法(以下ニート工法という)と呼ばれています。また、着色磁器質骨材を使用し、トップコートを施すことによって、明色化を図り、すべり摩擦抵抗を維持したまま視認性を高め、注意喚起や路線区分などにも使用されます。

すべり摩擦抵抗を維持したまま視認性を高め、注意喚起や路線区分などにも使用されます。
ニート工法RPN-301の施工映像を参照ください。(閲覧時間 6分13秒)。

2構  造

3すべり摩擦抵抗

各種すべり止め対策の舗装の中で樹脂系すべり止め舗装は、車両スピードが低速から高速域まで連続してすべり摩擦抵抗が高いことが特徴です。当協会では、英国道路交通研究所開発のPortable Skid Resistance Testerを用いて測定して、路面湿潤時の測定値(BPN)が70以上を目標としています。(20℃時の温度補正値:補正式JHS221:1992[NEXCO])

※参考:特性試験車によるすべり抵抗の評価(東京都土木技研資料、1989-9、内田、田中)

20km/h 40km/h 60km/h BPN
ニート工法 0.932 0.819 0.814 88.9
開粒アスコン 0.818 0.616 0.511 78.5
半たわみ性舗装 0.842 0.676 0.522 77.7
密粒ギャップアスコン 0.896 0.677 0.525 62.1

4路面のすべり摩擦抵抗とその効果

自動車の走行・始動・制動・停止時など、あらゆる場合に路面のすべり摩擦抵抗が必要とされ、すべり摩擦が不足すると事故原因となり得ます。特に路面湿潤時はすべり摩擦抵抗が著しく低下し、事故率が高くなります。

樹脂系すべり止め舗装適用時の効果例

制動距離 追突時事故の低減
時速30キロ 時速50キロ 晴天 雨天 全体
施工前(As面) 約7.6m 約15.5m 253件 157件 410件
ニート工法施工後 約3.0m 約7.0m 173件 23件 196件
減少率 61% 55% 32% 85% 52%
(「舗装」9-7.飯野、山下) (「舗装」10-7)

5協会工法規格

当協会では、適用する道路の舗装状態、仕上区分、骨材の種類・粒径などにより標準化を図り、下記の全18種類を協会工法規格としました。

協会工法規格 資料

6材料認定・認証制度

ニート工法に適用される樹脂系バインダ、トップコート、骨材等の材料が、当協会が規定する品質規格に適合していることを「認定」し、認定書の発行と認定マークの表示により、適正なニート工法材料であることを「認証」をもって証明しています。

〈 認証マーク〉

〈 表記例 〉

材料 種別 認定番号 記号
バインダ 可撓性エポキシ樹脂 M○○○○〇 EPN
MMA計樹脂 M○○○○〇 MPN
骨材 黒色硬質骨材 M○○○○〇 EAN
着色磁器質骨材 M○○○○〇 CAN
炭化珪素質骨材 M○○○○〇 SAN
プライマー 可撓性エポキシ樹脂 M○○○○〇 PPN
MMA計樹脂 M○○○○〇 PPN-M
トップコート M○○○○〇 TPN

認定材料 一覧

7ニート工法技能士認定制度

当協会が規定する工法規格に則ったニート工法の実施に当たり、施工管理(品質・工程・安全管理ほか)を的確に行うため、作業者としての技術だけではなく、公共に寄与するための工事を管理・監督する技術者の育成・確保を目的としてニート工法技能士認定制度を設けています。

「ニート工法」技能士認定研修会 ご案内

8実施具体例

実施箇所 直線部 交差部 曲線部 その他
実施区分 (1)横断歩道手前 (1)交差点 (1)曲線部基本 (1)歩道、通学路、
遊歩道、自転車道
(2)鉄道踏切手前 (2)右折ゾーン (2)カーブ手前 (2)ゼブラ施工パターン
(3)合流地点点前 (3)三叉路 (3)カーブ地点 (3)Wゼブラ施工
(4)傾斜部(坂道) (4)組合わせ  (4)リズムによる注意喚起
(三々七拍子など)
(5)組み合わせ
(歩道、自転車道、バスレーン、
カラー化による路線案内)
実例写真

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